肩こりの治し方|整形外科専門医が教えるセルフケアと受診の目安【福岡市中央区小笹】
- 2026/03/15
- 首の痛み
この記事で分かること
✓ 首・肩こりが起こる主な原因
✓ 医学研究で効果が示されている肩こりのセルフケア
✓ 自宅で簡単にできるストレッチとトレーニング
✓ 肩こりが改善しない場合に考えられる病気
✓ 整形外科を受診する目安
本記事は、日本整形外科学会認定 整形外科専門医・医学博士の佐々木颯太医師が、整形外科診療ガイドラインおよび国内外の医学文献を参照して作成しています。

目次
肩こり・首こりでお悩みの方へ
福岡市中央区小笹の佐々木整形外科です。整形外科の外来では、「肩こりがつらい」「首から肩が重い」といった症状で受診される方が多くいらっしゃいます。お話を聞くと、デスクワークで肩が固まる、スマートフォンを長時間使う、首から肩にかけてだるい、という方がほとんどです。
こうした慢性的な肩こりの多くは、生活習慣や姿勢、筋肉の使い方が関係しています。つまり、適切なセルフケアを行うことで、症状が改善する可能性があります。この記事では、医学研究(エビデンス)と整形外科医としての臨床経験をもとに、肩こりを改善するセルフケアの方法を解説します。
肩こりの多くは「筋肉の疲労」
慢性的な肩こりは、医学的には非特異的頸部痛(non-specific neck pain)と呼ばれることが多い症状です。原因として多いのは、長時間のデスクワーク、スマートフォンの使用、猫背などの姿勢、運動不足です。
整形外科外来で診察していると、肩こりの方の多くは、肩甲骨の動きが悪い、胸の筋肉が硬い、首の深い筋肉が弱い、といった特徴がみられます。
研究でも「運動療法」が有効とされています
慢性的な首・肩の痛みに対しては、運動療法(exercise therapy)が有効であることが多くの研究で示されています。頸部痛に対する運動療法は、痛みと機能の改善に効果があると報告されています(Cochrane review, Gross A, et al. Exercise for mechanical neck disorders)。つまり肩こりは、動かすことで改善することが多い症状です。
セルフケア① 肩甲骨を動かす
肩こりのある方では、僧帽筋上部(肩の筋肉)や肩甲挙筋が過剰に働き、一方で前鋸筋や下部僧帽筋が弱くなっていることが多くあります。このため、肩甲骨を動かす運動が重要です。

方法
- 背筋を軽く伸ばします
- 肩甲骨をゆっくり寄せます
- 軽く寄せた状態で少し保ちます
肩甲骨が動いているのを意識しながら、無理のない範囲で数回ずつ繰り返します。痛みが出る場合は中止してください。
セルフケア② 胸のストレッチ
デスクワークが多い方では、胸の筋肉(大胸筋・小胸筋)が硬くなりやすく、これが肩こりの原因になります。外来でも胸の筋肉が硬い方は多くいらっしゃいます。

方法
- 壁に手をつきます
- 体を反対方向にゆっくりひねります
- 胸が伸びるのを感じます
胸の伸びを感じるところで、痛気持ちいい範囲で数十秒ほど、ゆっくり伸ばします。反動はつけず、無理のない範囲で行ってください。
セルフケア③ 首の安定トレーニング
慢性的な頸部痛の方では、深頸屈筋(deep cervical flexor)という首の深い筋肉が弱くなっていることが知られています。この筋肉を鍛えることで、首の安定性が高まり、筋肉の負担が改善します。深頸屈筋のトレーニングは慢性頸部痛の改善に有効と報告されています(Jull G, et al. Spine. 2002)。

方法
- 仰向けになります
- 軽く顎を引きます
- 軽く保ち、ゆっくり戻します
首の前側の深い筋肉が働く感覚を意識しながら、無理のない範囲でゆっくり繰り返します。首や肩に力が入りすぎないようにします。
同じ姿勢を続けないことも重要
肩こりの患者さんに必ずお伝えするのは、どんな姿勢でも長時間続けると筋肉は疲れるということです。デスクワークの方は、30〜60分に一度、立ち上がる・肩を回す・ストレッチをする、といった習慣が肩こりの予防になります。
整形外科医として感じること
外来で肩こりの患者さんを診察していると、「もう肩こりは体質だから仕方ない」と思っている方が多い印象があります。しかし実際には、肩甲骨の動き・姿勢・筋肉の持久力を改善することで、症状が軽くなる方も多くいらっしゃいます。
こんな症状がある場合は整形外科へ
次のような症状がある場合は、整形外科の受診をおすすめします。
- 腕のしびれ
- 手の力が入りにくい
- 強い頭痛
- 痛みが長く続く
頸椎椎間板ヘルニアなどの病気が隠れている可能性があります。セルフケアで改善しない、悪化するという場合も、一度ご相談ください。
まとめ
肩こり改善のセルフケアは、肩甲骨を動かす・胸のストレッチ・首の安定トレーニング・同じ姿勢を続けない、の4つが基本です。これらを続けることで、肩こりの改善が期待できます。慢性的な肩こりでお悩みの方は、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。ただし、しびれや脱力など気になる症状がある場合は、自己判断せず受診をおすすめします。
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参考文献
・日本整形外科学会 公式サイト
・Gross A, et al. Exercise for mechanical neck disorders. Cochrane Database of Systematic Reviews.
・Jull G, et al. A randomized controlled trial of exercise and manipulative therapy for cervicogenic headache. Spine. 2002.
・Blanpied PR, et al. Neck Pain: Clinical Practice Guidelines. J Orthop Sports Phys Ther. 2017.