骨粗しょう症の原因と治療|整形外科専門医が解説【福岡市中央区小笹】
- 2026/05/31
- 骨粗鬆症
折れない体を、これからも。
骨粗しょう症をあきらめない整形外科
福岡市中央区小笹の佐々木整形外科です。「背が縮んできた」「背中が丸くなった」「ちょっと転んだだけで骨折した」——こうした変化の背景に、骨粗しょう症が隠れていることがあります。骨粗しょう症は痛みなく進むため、骨折して初めて気づく方も少なくありません。
骨粗しょう症は、適切に対応すれば骨折のリスクを下げることが期待できる病気です。「歳だから仕方ない」とあきらめる前に、まず自分の骨の状態を知ることが大切です。このページでは、骨粗しょう症の原因・検査・治療と予防について、整形外科医の立場からまとめて紹介します。

この記事のまとめ
✓ 骨粗しょう症は、骨がもろくなり骨折しやすくなる病気です
✓ 痛みなく進むため、骨折して初めて気づくことも少なくありません
✓ 背骨の圧迫骨折や脚の付け根の骨折は、生活に大きく影響します
✓ 骨密度検査で、自分の骨の状態を知ることができます
✓ 薬・運動・栄養で、骨折のリスクを下げることが期待できます
本記事は、日本整形外科学会認定 整形外科専門医・医学博士の佐々木颯太医師が、整形外科診療ガイドラインおよび国内外の医学文献を参照して作成しています。
目次
骨の健康が気になる方へ
骨粗しょう症は、特に閉経後の女性や高齢の方に多く、自覚のないまま骨がもろくなっていきます。そして、転倒などをきっかけに骨折を起こし、その骨折が寝たきりや生活の質の低下につながることがあります。
大切なのは、骨折を起こす前に自分の骨の状態を知り、必要な対策を始めることです。すでに骨折を経験した方も、次の骨折を防ぐための治療が重要になります。
骨粗しょう症とは
骨粗しょう症は、骨の量(骨密度)が減り、骨の質も低下して、骨がもろく、折れやすくなる病気です。骨は一見変わらないように見えても、内部では常に古い骨を壊し、新しい骨を作る入れ替えが行われています。加齢やホルモンの変化などでこのバランスが崩れ、骨が弱くなっていきます。骨粗しょう症そのものには痛みがなく、骨折して初めて気づくことが少なくありません。
なりやすい人
次のような方は、骨粗しょう症になりやすいことが知られています。
- 閉経後の女性(女性ホルモンの減少が関係します)
- 高齢の方
- 家族に骨粗しょう症や骨折をした人がいる
- やせ型、極端なダイエットの経験がある
- 運動不足、喫煙、過度の飲酒
- ステロイドの長期使用、特定の病気がある
特に閉経後の女性は骨密度が下がりやすいため、症状がなくても一度検査を受けておくことが勧められます。
骨粗しょう症で起こりやすい骨折
骨粗しょう症で弱くなった骨は、軽い力でも折れてしまうことがあります(脆弱性骨折)。特に次の骨折が重要です。
背骨の圧迫骨折
背骨(椎体)がつぶれる骨折です。しりもちや、ときには重い物を持っただけ、気づかないうちに起こることもあります。背中や腰の痛み、背が縮む・背中が丸くなるといった変化につながります。背骨の骨折は、腰痛の原因としても重要です。
脚の付け根の骨折(大腿骨近位部骨折)
転倒して脚の付け根を骨折すると、立てない・歩けなくなり、多くは手術が必要です。その後の歩行や生活に大きく影響し、寝たきりのきっかけになることもある、特に注意すべき骨折です。
手首・腕の付け根の骨折
転倒は、手首や腕の付け根の骨折の原因にもなります。これらの骨折をきっかけに、骨粗しょう症が見つかることも少なくありません。代表的なものを挙げます。詳しい症状や治療は、それぞれのページで解説します。
橈骨遠位端骨折は、転んで手をついたときに起こる手首の骨折で、高齢の方に多くみられます。手首の痛み・腫れ・変形が出ます。上腕骨近位端骨折は、肩に近い腕の骨の骨折で、転倒などで起こり、肩の痛みで腕が上げられなくなります。
大切なのは、一度骨折すると、次の骨折が起こりやすくなるということです。骨折をきっかけに骨粗しょう症の治療を始め、次の骨折を防ぐこと(骨折の連鎖を断つこと)がとても重要です。
検査・診断(骨密度検査)
骨粗しょう症は、骨密度検査で診断します。骨の量を測ることで、自分の骨が同年代と比べてどのくらいの状態かを知ることができます。あわせて、レントゲンで背骨の骨折の有無を確認したり、血液・尿の検査で骨の状態や原因を調べたりすることもあります。症状がなくても、閉経後の女性や高齢の方は、一度検査を受けておくことをおすすめします。

ざっくりとした診断の目安
骨粗しょう症は、主に次のような考え方で診断されます(あくまで目安で、実際の診断は医師が総合的に判断します)。
① 背骨や脚の付け根の脆弱性骨折がある場合
軽い力で背骨(椎体)や脚の付け根(大腿骨近位部)を骨折している場合は、骨密度の値にかかわらず骨粗しょう症と診断されることがあります。
② 骨密度で判断する場合
若い成人の平均値(YAM)を基準に、骨密度がYAMの70%以下だと骨粗しょう症と判断されます。70〜80%は「骨量減少」とされ、予備軍として注意が必要な段階です。
「自分は骨量減少と言われた」という段階でも、生活習慣の見直しや経過の確認が大切です。気になる方は、検査を受けて自分の状態を知っておくことをおすすめします。
治療(薬・運動・栄養)
骨粗しょう症の治療は、薬物療法・運動・栄養を組み合わせて行います。目的は、骨密度を保ち、骨折のリスクを下げることです。
薬物療法
骨が壊れるのを抑える薬や、骨を作るのを助ける薬など、いくつかの種類があります。飲み薬、注射など、さまざまなタイプがあり、骨の状態や骨折のリスク、生活スタイルに合わせて選びます。どの薬が適しているかは、検査結果をふまえて相談しながら決めます。
運動
適度な運動は、骨を丈夫に保ち、筋力やバランスを高めて転倒を防ぐのに役立ちます。ウォーキングなど体重をかける運動や、無理のない範囲での筋力・バランスの運動が勧められます。痛みがある場合は無理をせず、その方に合った運動を行うことが大切です。
栄養
骨の健康には、カルシウムや、その吸収を助けるビタミンD、ビタミンKなどの栄養が関わります。特定のものに偏らず、バランスのよい食事を心がけることが基本です。不足が気になる場合は、食事の工夫や、必要に応じた補い方を相談しましょう。
予防のために
骨粗しょう症やそれによる骨折を防ぐには、骨を丈夫に保つことと、転ばないことの両方が大切です。バランスのよい食事、適度な運動、禁煙、過度の飲酒を控えること、そして転倒を防ぐ環境づくり(家の中の段差や滑りやすい場所の見直しなど)が役立ちます。足腰の衰え(ロコモ・サルコペニア)の対策も、転倒予防につながります。
当院でできること
佐々木整形外科では、骨密度検査による評価から、薬物療法、運動・栄養の指導まで、骨粗しょう症の治療を行います。腰や背中の痛みの背景に骨粗しょう症がないか、転倒・骨折のリスクはどうかといった視点で、総合的に診ます。骨折を経験された方の、次の骨折を防ぐための治療にも力を入れていきます。手術が必要な骨折の場合は、連携医療機関をご紹介し、その後の治療を継続します。
骨の健康が気になる方へ
骨粗しょう症は痛みなく進みますが、骨折を起こす前に対策を始めれば、骨折のリスクを下げることが期待できます。福岡市中央区小笹で、骨の健康が気になる方、ご家族に骨折をされた方がいる方、閉経後で一度検査を受けておきたい方は、お気軽にご相談ください。
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参考文献
・日本整形外科学会 公式サイト
・骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(骨粗鬆症学会ほか)
・日本骨粗鬆症学会 関連資料
・American Academy of Orthopaedic Surgeons (AAOS) 関連資料