腰痛の原因と治療|整形外科専門医が解説【福岡市中央区小笹】
- 2026/05/31
- 腰痛
その痛みと、向き合う。
腰の痛みをあきらめない整形外科
福岡市中央区小笹の佐々木整形外科です。外来診療をしていると、腰をさすりながら「もう何年も、腰とは付き合っていくしかなかと思っとります」と話される方によくお会いします。長く続く腰の痛みに、半ばあきらめておられる方は少なくありません。
しかし、腰痛の多くは、原因に合った対応をすれば、痛みを和らげ、動ける毎日を取り戻せるものです。「歳のせい」「もう治らない」と決めつけてしまう前に、まず今の状態を知ることから始めてみませんか。このページでは、腰痛の主な原因と当院の考え方を、整形外科医の立場からまとめて紹介します。

この記事のまとめ
✓ 腰痛の多くは、原因がはっきりしない「非特異的腰痛」です
✓ 一方で、神経の症状を伴う場合は椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症のことがあります
✓ 高齢の方の急な腰痛では、背骨の圧迫骨折に注意が必要です
✓ 多くは保存治療(運動療法・薬・生活改善)で改善します
✓ 足のしびれ・力が入らない・発熱などを伴う場合は、早めの受診が大切です
本記事は、日本整形外科学会認定 整形外科専門医・医学博士の佐々木颯太医師が、整形外科診療ガイドラインおよび国内外の医学文献を参照して作成しています。
目次
腰痛でお悩みの方へ
腰痛は、整形外科の外来で最も多いご相談の一つで、多くの方が一生のうちに一度は経験するといわれています。「ぎっくり腰になった」「慢性的に腰が重い」「足までしびれる」など、症状はさまざまです。
腰痛は、その多くが心配のいらないものですが、なかには神経や骨の問題が隠れていることもあります。大切なのは、原因を見極め、その人に合った対応をすることです。
腰痛の多くは「非特異的腰痛」
腰痛の大部分は、画像検査でもはっきりした原因が特定できない「非特異的腰痛」とされています。いわゆる「ぎっくり腰(急性腰痛)」や、姿勢・筋肉の疲労・生活習慣などが関わる慢性的な腰痛がこれにあたります。
非特異的腰痛の多くは、安静にしすぎず、適切に体を動かすことで改善していきます。診療ガイドラインでも、過度な安静より、活動を続けながら運動療法を行うことが勧められています。
神経の症状を伴う腰痛
腰の痛みに加えて、お尻や足のしびれ・痛み、足の力が入りにくいといった症状を伴う場合は、神経が関係していることがあります。
腰椎椎間板ヘルニア
背骨のクッション(椎間板)の一部が飛び出して神経を圧迫し、お尻から足にかけての痛みやしびれ(坐骨神経痛)が出る状態です。比較的若い世代にもみられます。多くは保存治療で改善しますが、麻痺が強い場合などは手術が検討されます。
腰部脊柱管狭窄症
背骨の中の神経の通り道が狭くなり、神経が圧迫される状態です。少し歩くと足がしびれ・痛み、休むとまた歩ける(間欠跛行)のが特徴で、中高年に多くみられます。前かがみで楽になる傾向があります。
骨・加齢による腰痛
腰椎圧迫骨折
骨粗しょう症で弱くなった背骨が、しりもちや、ときには軽い動作だけでもつぶれてしまう骨折です。高齢の方の急な腰痛では、まず疑うべき重要な原因です。気づかないうちに進むこともあるため、注意が必要です。背景にある骨粗しょう症の評価・治療も大切になります。
変形性脊椎症
加齢によって背骨や椎間板が変化し、腰の痛みやこわばりが出る状態です。慢性的な腰痛の背景になることがあります。
スポーツによる腰痛
スポーツをする成長期のお子さんの腰痛では、腰椎分離症に注意が必要です。腰を反らす・ひねる動作の繰り返しで、腰の骨に生じる疲労骨折性の障害で、早期に見つかれば骨がつくことも期待できます。「ただの筋肉痛」と決めつけず、スポーツをする中高生の腰痛は一度確認することが大切です。スポーツによる障害については、こちらもあわせてご覧ください。
腰椎捻挫(腰のねんざ・外傷による腰痛)
転倒や、スポーツ、重い物を持ったとき、そして交通事故(追突など)で腰に強い力が加わると、腰の筋肉や靭帯を痛める「腰椎捻挫(外傷性の腰痛)」が起こることがあります。腰の痛みや動かしにくさが出ます。いわゆる「ぎっくり腰」も、急に腰を痛めるという点で近いものです。
特に、交通事故や仕事中・通勤中のケガによる腰痛は、自賠責保険や労災保険の対象になることがあります。事故によるケガは、症状が後から出ることもあるため、早めの受診と適切な記録が大切です。交通事故・労災によるケガの治療については、専用のページで詳しく解説しています。
注意が必要な腰痛
ほとんどの腰痛は心配のいらないものですが、ごくまれに、骨折・感染・腫瘍など、すぐに対応が必要な原因が隠れていることがあります。次のような場合は、早めに受診してください。
- 安静にしていても、横になっても痛む
- 足のしびれや、力が入らない感じがある
- 尿や便が出にくい・もれる
- 発熱を伴う
- 原因のはっきりしない体重減少を伴う
- 転倒・しりもちのあとに強く痛む
特に、足の麻痺や排尿・排便の障害は、急いで対応が必要なサインのことがあります。
当院で行う検査
腰痛の原因を調べるために、問診・診察に加えて、次のような検査を行います。
- レントゲン:背骨の並びや変形、骨折の有無を確認
- 神経の診察:しびれや筋力、反射の確認
- 骨密度検査:骨粗しょう症の評価
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などで、より詳しい検査(MRIなど)や手術が必要と考えられる場合は、連携医療機関をご紹介します。

当院の腰痛治療
腰痛の多くは、保存治療で改善します。当院では、原因に応じて次のような治療を組み合わせます。
- 運動療法・リハビリ(体幹の筋力、ストレッチ、姿勢の改善)
- 薬物療法(消炎鎮痛薬など)
- 神経の痛みに対する治療
- 生活指導(姿勢・動作・体重管理)
- 骨粗しょう症がある場合は、その治療
過度な安静はかえって回復を遅らせることがあるため、その方に合った形で、適切に体を動かすことを大切にしています。
腰痛でお困りの方へ
腰痛は、多くが適切な対応で改善しますが、なかには神経や骨の問題が隠れていることもあります。福岡市中央区小笹で腰の痛みやしびれにお悩みの方は、無理をせず一度ご相談ください。原因を確認し、その方に合った治療を一緒に考えます。
腰の痛みに関する記事一覧
参考文献
・日本整形外科学会 公式サイト
・腰痛診療ガイドライン(日本整形外科学会・日本腰痛学会)
・Qaseem A, et al. Noninvasive Treatments for Acute, Subacute, and Chronic Low Back Pain: ACP Clinical Practice Guideline. Annals of Internal Medicine. 2017.
・American Academy of Orthopaedic Surgeons (AAOS) 関連資料