スポーツで膝が痛い|原因と対処を整形外科専門医が解説【福岡市中央区小笹】
- 2026/05/31
- 膝の痛み
この記事のまとめ
✓ スポーツによる膝の痛みは「急なケガ」と「使いすぎ」に大きく分かれます
✓ ひねって受傷した場合は、靭帯や半月板の損傷が隠れていることがあります
✓ 繰り返しの負担では、膝のお皿の下や内側などに痛みが出やすくなります
✓ 多くは保存治療(リハビリ中心)で改善しますが、見極めが大切です
✓ 腫れ・不安定感・強い痛みがある場合は、早めの受診をおすすめします
本記事は、日本整形外科学会認定 整形外科専門医・医学博士の佐々木颯太医師が、整形外科診療ガイドラインおよび国内外の医学文献を参照して作成しています。

目次
スポーツで膝を痛めた方へ
外来では、ランニング・テニス・登山・サッカーなど、スポーツで膝を痛めて来院される方が多くいらっしゃいます。「ひねってから腫れた」「走ると膝の外側が痛む」「ジャンプの着地で膝のお皿の下が痛い」など、ご相談の内容はさまざまです。
スポーツによる膝の痛みは、原因を見極めて適切に対応すれば、多くが改善します。一方で、靭帯や半月板の損傷が隠れていることもあり、放置すると長引いたり悪化したりすることがあります。この記事では、整形外科医の立場から、原因のタイプ別に対処の考え方を解説します。
スポーツによる膝の痛みは2タイプ
スポーツによる膝の痛みは、大きく次の2つに分けて考えると整理しやすくなります。
- 急なケガ(外傷):ひねった・ぶつけた・着地に失敗した、など、はっきりしたきっかけがある
- 使いすぎ(オーバーユース):繰り返しの動作で、徐々に痛みが出てくる
どちらのタイプかによって、考えられる原因も対処も変わります。
急なケガ(ひねり・衝突)
ジャンプの着地やストップ動作、衝突などで膝をひねったときは、次のようなケガが起こることがあります。
前十字靭帯(ACL)損傷
ジャンプの着地や急な方向転換で起こりやすいケガです。受傷時に「ブチッ」という断裂音を感じることがあり、その後に膝が腫れ、膝が不安定でガクッと崩れる感覚が出ることがあります。スポーツ復帰を目指す場合などには手術が検討されることもあり、診断にはMRIが必要になることがあります。
半月板損傷
ひねり動作で半月板(膝のクッション)が傷つくことがあります。膝の引っかかり感や、曲げ伸ばしのときの痛みが特徴です。
内側側副靭帯(MCL)損傷
膝の内側に外から力が加わったときに起こりやすい靭帯のケガです。比較的、保存治療で改善することが多い損傷です。
これらの急なケガで、膝が大きく腫れている、膝に力が入らない、不安定でぐらつく、といった場合は、靭帯や半月板の損傷が疑われます。MRIなどの精密検査や手術が必要と考えられる場合は、連携医療機関をご紹介します。
使いすぎによる障害
はっきりしたケガがなく、繰り返しの負担で徐々に痛みが出てくるタイプです。練習量が増えたとき、フォームや筋力・柔軟性のバランスが崩れたときに起こりやすくなります。
膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
膝のお皿の下あたりが痛むもので、ジャンプやダッシュを繰り返す競技に多くみられます。膝蓋腱(膝のお皿と脛骨をつなぐ腱)への繰り返しの負担が原因です。
腸脛靭帯炎(ランナー膝)
膝の外側が痛むもので、ランニングや自転車など、膝の曲げ伸ばしを繰り返す動作で起こりやすい障害です。走行距離を急に増やしたときなどに出やすくなります。
鵞足炎(がそくえん)
膝の内側のやや下が痛むもので、ランニングや使いすぎ、筋肉の柔軟性の低下などが関係します。
これらの使いすぎによる障害は、多くが運動量の調整とリハビリ(ストレッチ・筋力・フォームの改善)で改善します。痛みが長引く腱の障害には、体外衝撃波治療が選択肢になることもあります。
成長期の膝の障害
成長期のお子さんでは、骨が成長している途中のため、特有の障害がみられます。代表的なのがオスグッド病で、膝のお皿の下の骨が出っぱって痛むものです。ジャンプやダッシュの多い競技で起こりやすく、成長とともに落ち着くことが多いですが、痛みが強いときは運動量の調整やリハビリが必要です。成長期の膝の痛みを「成長痛」と決めつけず、一度状態を確認することが大切です。
こんなときは受診を
次のような場合は、自己判断で運動を続けず、整形外科の受診をおすすめします。
- 膝が大きく腫れている
- 膝がぐらつく・力が入らない・崩れる感じがする
- 膝が引っかかって伸びない・曲がらない
- 痛みが強い、または長く続く
これらは靭帯や半月板の損傷のサインのことがあります。痛みを我慢して続けると、悪化したり、復帰が遅れたりすることがあります。
当院の治療
スポーツによる膝の障害の多くは、保存治療(リハビリ中心)で改善します。当院では、レントゲンやエコーで状態を確認し、原因に応じた治療を行います。
リハビリでは、筋力・柔軟性・動作フォームの改善を通じて、痛みの軽減と再発予防をめざします。痛みが長引く腱の障害には体外衝撃波、状態によってはPRP療法(自由診療)が選択肢になることもあります。MRIや手術が必要と考えられる場合は、連携医療機関をご紹介します。

よくある質問
Q. 痛みがあっても運動を続けて大丈夫ですか?
A. 軽い違和感程度なら運動量の調整で様子をみることもありますが、腫れ・不安定感・強い痛みがある場合は中止し、受診をおすすめします。痛みを我慢して続けると悪化することがあります。
Q. ひねった膝が腫れています。どうすればいいですか?
A. まずは安静にして冷やし、早めに整形外科を受診してください。靭帯や半月板の損傷が隠れていることがあります。
Q. スポーツに復帰できますか?
A. 多くは適切な治療とリハビリで復帰が期待できますが、ケガの種類や程度によって異なります。状態を確認したうえで、復帰の時期を判断します。
Q. 子どもの膝の痛みも診てもらえますか?
A. はい。成長期特有の障害(オスグッド病など)もありますので、「成長痛」と決めつけず一度ご相談ください。
まとめ
スポーツによる膝の痛みは、「急なケガ」と「使いすぎ」に分けて考えると整理しやすくなります。多くは保存治療で改善しますが、靭帯や半月板の損傷が隠れていることもあるため、腫れ・不安定感・強い痛みがある場合は早めの受診が大切です。福岡市中央区小笹でスポーツによる膝の痛みにお悩みの方は、無理をせず一度ご相談ください。
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参考文献
・日本整形外科学会 公式サイト
・前十字靭帯(ACL)損傷診療ガイドライン(日本整形外科学会)
・Mani-Babu S, et al. The Effectiveness of Extracorporeal Shock Wave Therapy in Lower Limb Tendinopathy. Am J Sports Med. 2015.
・日本整形外科学会・日本臨床スポーツ医学会 関連資料