半月板損傷とは|症状・原因・治療を整形外科医が解説【福岡市中央区小笹】
- 2026/03/16
- 膝の痛み
この記事で分かること
✓ 半月板損傷は膝のクッション(半月板)のケガです
✓ しゃがむ・階段の上り下りで痛むことが多くあります
✓ 膝の引っかかりや腫れ(水がたまる)が出ることもあります
✓ 多くはリハビリなどの保存治療で改善します
✓ 痛みやロッキングが続く場合は治療が必要になります
本記事は、日本整形外科学会認定 整形外科専門医・医学博士の佐々木颯太医師が、整形外科診療ガイドラインおよび国内外の医学文献を参照して作成しています。

膝の痛みでお悩みの方へ
福岡市中央区小笹の佐々木整形外科です。膝の診察をしていると、「しゃがんだときに膝が痛くなった」「膝が引っかかる感じがある」「急に膝が伸びなくなった」といったご相談をよく受けます。こうした症状の原因の一つが半月板損傷(はんげつばんそんしょう)です。
半月板は膝関節のクッションの役割をしている組織で、スポーツだけでなく日常生活でも傷つくことがあります。この記事では、半月板損傷の症状・原因・治療方法・手術が必要になるケースについて、整形外科医の立場からわかりやすく解説します。
半月板とは
半月板は膝関節の中にある、クッションのような軟骨組織です。膝には内側半月板と外側半月板の2つがあり、衝撃を吸収する、膝の安定性を保つ、関節軟骨を守る、といった重要な役割があります。半月板が傷つくと、膝の痛みや引っかかりなどの症状が起こります。
半月板損傷の症状
膝の痛み
膝の内側または外側に、ピンポイントの痛みが出ることがあります。特に、しゃがむ・立ち上がる・階段を降りるときに痛みが出やすいのが特徴です。
膝の引っかかり
膝を動かしたときに、「引っかかる感じ」「カクッとする感じ」が出ることがあります。
膝が伸びない(ロッキング)
半月板の断片が関節に挟まると、膝が急に伸びなくなることがあります。これをロッキングと呼びます。
膝に水がたまる
半月板損傷では膝に炎症が起こり、膝に水がたまる(関節水腫)ことがあります。
半月板損傷の原因
半月板損傷には、大きく分けて2つのタイプがあります。
スポーツによる半月板損傷
スポーツ中のひねり動作・急停止・転倒などで起こることがあります。特にサッカー・バスケットボール・野球・柔道などで多く見られます。
加齢による半月板損傷
40代以降では、半月板が弱くなることで傷つくケースが多く見られます。椅子から立ち上がる・階段を降りる・しゃがむといった日常動作でも損傷することがあります。このタイプは変形性膝関節症と合併することも多くあります。
半月板損傷は自然に治る?
患者さんからよく聞かれる質問です。半月板は血流が少ない組織のため、断裂そのものが完全に治ることは多くありません。ただし、炎症が落ち着いたり筋力が改善したりすることで、痛みが軽くなることはあります。そのため多くの場合、まずは保存治療(手術をしない治療)を行います。
半月板損傷を放置すると
半月板損傷を放置すると、痛みの慢性化・軟骨の摩耗・変形性膝関節症につながることがあります。膝の違和感が続く場合は、早めの受診をおすすめします。
半月板損傷の検査
レントゲン
骨の変形や関節の状態を確認します。半月板自体はレントゲンには写りませんが、変形性膝関節症の有無を確認するために重要です。
エコー(超音波)
エコーでは、半月板周囲の炎症や関節液などを確認できます。当院ではエコーで位置を確認しながら注射を行うことで、安全性を高めることを心がけています。
MRI
半月板の断裂を詳しく調べるために、MRI検査を行うことがあります。必要に応じて、MRIを撮影できる医療機関と連携します。
半月板損傷の治療
半月板損傷の治療は、症状の程度や年齢によって変わります。多くの場合、手術をしなくても改善することがあります。
運動器リハビリ
膝の痛みでは、太ももの筋肉(大腿四頭筋)が重要です。筋力を改善することで、膝への負担を減らすことができます。
注射治療
膝の炎症を抑えるために、ヒアルロン酸注射やステロイドを使用することがあります(いずれも保険診療)。
PRP療法という選択肢
保存治療で改善しない場合には、PRP療法(再生医療)という選択肢もあります。自分の血液から取り出した成分を用いて、組織の修復を促すことを目的とした治療で、保険適用外の自由診療(全額自己負担)です。手術を避けたい方の選択肢として検討されることがあります。効果には個人差があります。
手術が必要になるケース
次のような場合には、手術が検討されることがあります。ロッキングが続く、強い痛みが続く、スポーツ復帰を目指す、などです。半月板の手術は関節鏡手術(内視鏡手術)で行われることが多く、当院では必要に応じて連携医療機関をご紹介します。
リハビリ期間の目安
症状の程度によりますが、保存治療の場合は数週間〜数か月で改善することが多いです。リハビリを行うことで膝の安定性が改善し、再発予防にもつながります。
よくある質問
Q. 半月板損傷は自然に治りますか?
A. 断裂そのものが完全に治ることは多くありませんが、炎症が落ち着くことで痛みが改善することはあります。
Q. 手術しないと治りませんか?
A. 多くの場合、リハビリなどの保存治療で改善します。
Q. MRIは必要ですか?
A. 症状や診察結果によって、必要な場合にMRI検査を行います。
膝の痛みでお困りの方へ
半月板損傷は、スポーツ・日常生活・加齢などさまざまな原因で起こります。膝の痛みを「歳だから仕方ない」と我慢している方も多いですが、適切な治療で改善することも少なくありません。当院では運動器リハビリ・注射治療・PRP療法などを組み合わせ、状態に応じた膝の治療を行います。膝の痛みでお困りの方は、まずは状態を確認することから始めましょう。
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参考文献
・日本整形外科学会 公式サイト
・American Academy of Orthopaedic Surgeons (AAOS)
・Campbell’s Operative Orthopaedics
・Beaufils P, et al. Management of degenerative meniscus lesions. Orthopaedics & Traumatology: Surgery & Research. 2017.