膝の注射の効果・痛みは?種類を整形外科医が解説【福岡市中央区小笹】
- 2026/03/22
- 膝の痛み
この記事のまとめ
✓ 膝の注射は、炎症を抑え痛みをやわらげることを目的とした治療です
✓ ヒアルロン酸・ステロイド・PRPを、状態に応じて使い分けます
✓ 内服や湿布、リハビリと組み合わせて段階的に選択していきます
✓ どの注射が合うかは状態によって決まり、すべての方に必要なわけではありません
本記事は、日本整形外科学会認定 整形外科専門医・医学博士の佐々木颯太医師が、整形外科診療ガイドラインおよび国内外の医学文献を参照して作成しています。

目次
膝の痛みでお悩みの方へ|注射は本当に必要?
福岡市中央区小笹の周辺で、膝の痛みのご相談は少なくありません。「歩くと痛い」「階段がつらい」「立ち上がるときに痛む」といった症状が続くと、日常生活そのものが負担になります。一方で「注射は怖い」「できれば打ちたくない」「飲み薬や湿布ではダメなのか」という不安の声もよく伺います。
結論からお伝えすると、膝の治療は内服や湿布・リハビリ・注射を、状態に応じて段階的に組み合わせていくものです。その中で注射は、炎症が強いときに効果を発揮する治療という位置づけになります。まずはリハビリから始め、必要に応じて注射を併用する、という流れが一般的です。膝の痛み全体については膝の痛みの総合解説もあわせてご覧ください。
膝の注射とは|関節内に直接アプローチする治療
膝の注射は、関節の中に直接薬を入れ、炎症を抑えたり痛みの原因に作用させたりする治療です。主に次のような場合に行われます。
なお、鵞足炎など関節の外側(関節周囲)の痛みに対しては、関節内注射ではなく、その部位に応じた処置やリハビリで対応します。痛みの部位を見極めることが大切です。
どの注射が自分に合う?|状態別の目安
膝の注射は「どれでも同じ」ではありません。状態によって適したものが異なります。
ヒアルロン酸が向いていることが多い方
- 動き始めや歩行時に痛む
- 膝のこわばりや違和感がある
- 炎症はそれほど強くない
- 慢性的な痛みが続いている
関節の動きを改善したい方に用いられます(保険診療)。
ステロイドが向いていることが多い方
- 膝が腫れている、水がたまっている
- ズキズキした痛みがある
- 急に悪化した
炎症が強いときに、短期的に用いられます(保険診療)。繰り返しの使用には注意が必要です。
PRPが選択肢になる方
- ヒアルロン酸で効果が不十分
- できるだけ手術は避けたい
- 長期的な改善を目指したい
保険適用外の自由診療(全額自己負担)として検討されます。費用や適応は別記事をご確認ください。
注射はどれくらい効く?|種類ごとの違い
効果の出方は、注射の種類によって異なります。いずれも効果には個人差があります。
ヒアルロン酸
- 数回の継続で徐々に変化を感じることが多い
- 作用は比較的穏やか
ステロイド
- 数日以内に効果が出ることが多い
- 炎症が強いときに用いられるが、効果は一時的なことが多い
PRP
- 数週間〜数か月かけて変化することが多い
- 即効性は弱いが、持続が期待されるとされる
注射は痛い?|実際のところ
注射に不安を感じる方は多いですが、「思ったより大丈夫だった」と言われることもよくあります。当院では針の太さを工夫し、丁寧な手技を心がけることで、痛みをできるだけ抑えています。ケースによっては超音波(エコー)で位置を確認しながら行います。
副作用と注意点|治療ごとの違い
膝の注射は安全性の高い治療ですが、種類ごとに注意点があります。
ヒアルロン酸
- 注射部位の一時的な痛みや腫れ(比較的安全性が高い)
ステロイド
- ごくまれに関節内の感染
- 繰り返しの使用による軟骨などへの影響
- 血糖値や眼圧の上昇。糖尿病や緑内障のある方には注意して使用します
このため、ステロイドは頻回の使用を避ける必要があります。
リハビリとの併用が大切です
膝の痛みは、炎症だけでなく筋力の低下や関節への負担が重なって起こります。注射はそのうち「炎症」に対する治療であり、注射だけで完結するものではありません。リハビリ(筋力・動作の改善)との併用が再発予防につながります。
治療の流れ|初めての方へ
- 1.来院・受付
- 2.問診と診察
- 3.状態の評価
- 4.治療方針のご相談(内服・リハビリ・注射など)
ご希望や状態を確認したうえで進めます。ご納得いただかないまま注射を行うことはありません。
よくある質問
Q. 何回くらい必要ですか?
A. 治療内容によって異なります。ヒアルロン酸は数回、ステロイドは必要時のみ用いることが多いです。
Q. ずっと続けないといけませんか?
A. 状態が改善すれば中止できます。
Q. クセになりますか?
A. 依存性はありませんが、症状に応じて繰り返すことがあります。
Q. 注射しないと治りませんか?
A. 内服やリハビリで改善するケースもあります。注射はすべての方に必要なわけではありません。
膝の痛みを放置すると
膝の痛みを放置すると、炎症の慢性化や関節の変形の進行、活動量の低下につながることがあります。進行した場合は手術(人工膝関節置換術など)が検討されることもあります。まずは現在の状態を確認することが大切です。
まとめ
膝の痛みは、炎症・筋力低下・関節への負担が重なって起こります。注射はそのうち「炎症」に対する治療であり、すべての方に必要なわけではありません。ヒアルロン酸・ステロイド・PRPは、状態に応じて使い分けるものです。福岡市中央区小笹で膝の痛みにお悩みの方は、まずは状態を確認することから始めましょう。
関連記事
参考文献
・日本整形外科学会 公式サイト
・日本膝関節学会
・American Academy of Orthopaedic Surgeons (AAOS) Clinical Practice Guideline
・OARSI Guidelines for knee osteoarthritis (Bannuru RR, et al.)
・Osteoarthritis and Cartilage (McAlindon TE, et al.)