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変形性膝関節症とは?症状・原因・治療を整形外科専門医が解説【福岡市中央区小笹】|福岡市中央区小笹の整形外科|佐々木整形外科

変形性膝関節症とは?症状・原因・治療を整形外科専門医が解説【福岡市中央区小笹】|福岡市中央区小笹の整形外科|佐々木整形外科

変形性膝関節症とは?症状・原因・治療を整形外科専門医が解説【福岡市中央区小笹】

この記事のまとめ

✓ 変形性膝関節症とはどんな病気なのか

✓ 膝が痛くなる原因(軟骨のすり減り・筋力低下など)

✓ 歩くと痛い・階段で痛いなどの典型的な症状

✓ リハビリ・注射・生活改善などの治療方法

本記事は、日本整形外科学会認定 整形外科専門医・医学博士の佐々木颯太医師が、整形外科診療ガイドラインおよび国内外の医学文献を参照して作成しています。

「変形性膝関節症」と言われたことはありませんか?

外来で膝の診察をしていると、「軟骨がすり減っていると言われました」「もう歳だから仕方ないですよね」という言葉をよく聞きます。膝のレントゲンを撮ったときに「変形性膝関節症ですね」と言われた経験がある方も多いのではないでしょうか。

この言葉を聞くと、もう治らないのではないか、手術しないといけないのではないか、と不安になる方も少なくありません。しかし実際には、変形性膝関節症の治療にはリハビリ・注射・生活改善など、さまざまな選択肢があります。大切なのは、膝の状態を正しく理解し、その人に合った治療を選ぶことです。

この記事では整形外科医の立場から、変形性膝関節症とはどんな病気なのか、どんな症状が出るのか、どんな治療があるのかを、わかりやすく解説します。膝の痛み全体について知りたい方は、膝の痛みの総合ページもあわせてご覧ください。

変形性膝関節症の仕組みを説明する膝関節の断面図(軟骨・半月板・関節液)
膝関節の構造:クッションとなる軟骨や半月板が重要です

変形性膝関節症とは

変形性膝関節症とは、膝の関節の軟骨がすり減り、炎症が起こる病気です。膝関節は、太ももの骨(大腿骨)・すねの骨(脛骨)・膝のお皿(膝蓋骨)などで構成され、骨の表面には関節軟骨というクッションがあります。この軟骨があることで、膝は滑らかに動くことができます。

しかし、加齢・負担の蓄積・筋力低下などによって軟骨がすり減ると、関節に炎症が起こります。その結果、膝の痛み・腫れ・動かしづらさなどの症状が出るようになります。

変形性膝関節症の症状

変形性膝関節症では、膝の使い方によってさまざまな症状が出ます。

歩くと膝が痛い

最も多い症状です。特に、歩き始め・長く歩いたあと・立ち上がるときに痛みを感じることが多くあります。外来でも「歩き出すときが一番痛い」というご相談をよく受けます。

階段で膝が痛い

階段、とくに下り階段で膝が痛くなる方も多くいらっしゃいます。これは体重の何倍もの負担が膝にかかるためです。「階段を降りるのが怖い」とおっしゃる方も少なくありません。

変形性膝関節症で階段の上り下りに痛みを感じる様子
階段、とくに下りで膝の痛みを感じる方が多くいます

膝が腫れる

膝の炎症が強くなると、膝の腫れ・熱感・動かしづらさが出ることがあります。

膝に水がたまる

膝の炎症によって、関節液が増えることがあります。いわゆる「膝に水がたまる」状態です。

→ 膝に水がたまる原因と対処について

変形性膝関節症の原因

変形性膝関節症は、ひとつの原因だけで起こるわけではありません。いくつかの要因が重なって起こることが多くあります。

加齢

年齢とともに軟骨の弾力は低下します。そのため50代以降では膝の痛みのご相談が増えてきます。ただし、年齢だけが原因ではありません

筋力低下

膝を支えている筋肉が弱くなると、膝への負担が増えます。特に重要なのが太ももの筋肉(大腿四頭筋)です。膝の痛みを改善するためには、この大腿四頭筋を鍛えることが重要で、そのため膝の治療ではリハビリがとても大切になります。

椅子に座って行う大腿四頭筋トレーニング(変形性膝関節症のリハビリ)
椅子に座って行う大腿四頭筋トレーニング。変形性膝関節症のリハビリとしてよく行われます

体重増加

体重が増えると膝への負担も増えます。歩行時には体重の3〜5倍の力が膝にかかるといわれています。

半月板損傷

半月板は膝のクッションの役割をしています。この半月板が傷つくと、関節の負担が増え、軟骨のすり減りが進むことがあります。

→ 半月板損傷について

変形性膝関節症の治療

変形性膝関節症の治療は、症状の程度によって選択します。いきなり強い治療を行うわけではなく、まずは体への負担が少ない治療から段階的に進めます。国内外の診療ガイドラインでは、運動療法・減量・生活指導が治療の土台(中心的な治療)とされており、注射などはそれを補う位置づけです。

リハビリ

膝の治療の土台はリハビリ(運動療法)です。主に、筋力トレーニング・関節の動きの改善・歩き方の指導などを行います。運動療法は変形性膝関節症の診療ガイドラインで強く推奨されており、リハビリによって痛みが改善する方も多くいらっしゃいます。まずここに、しっかり取り組むことが大切です。

→ 膝のリハビリについて

注射治療

リハビリや生活改善を行ったうえで、炎症や痛みが強いときには、補助的に注射を用いることがあります。ヒアルロン酸注射・ステロイド注射は保険診療、PRP療法は保険適用外の自由診療(全額自己負担)です。なお、ヒアルロン酸注射は有効性の評価が分かれる治療でもあり、注射だけに頼るのではなく、リハビリや減量と組み合わせることが大切です。種類ごとの詳細は、注射の解説ページでまとめています。

→ 膝の注射治療(全体)について

生活改善

体重管理は、リハビリと並ぶ治療の土台です。歩行時には体重の数倍の負担が膝にかかるため、減量は膝の負担を直接減らします。運動習慣や、膝に負担をかけにくい動作の工夫も大切です。

手術(必要な場合)

保存治療で改善しない場合には、人工膝関節手術や骨切り術などが検討されることもあります。ただし外来では、手術をしなくても症状が落ち着く方も多くいらっしゃいます。手術が必要と考えられる場合は、連携医療機関をご紹介します。

→ 人工膝関節置換術について

当院で行う膝の診察

佐々木整形外科では、膝の状態をしっかり評価するために、レントゲン検査・エコー検査・運動機能の評価などを行います。エコーでは、関節液の量・炎症の状態・半月板周囲の変化などを確認することができます。また、運動器リハビリテーションを行い、膝の負担を減らす体づくりをサポートします。

よくある質問

Q. 変形性膝関節症は治りますか?

A. すり減った軟骨そのものを元の状態に戻すことは難しいとされています。しかし、リハビリ・炎症を抑える治療・生活習慣の改善などによって、痛みを軽くしたり症状を安定させたりすることは十分可能です。外来でも「歩くのが楽になった」「階段が前よりつらくなくなった」とおっしゃる方は多くいらっしゃいます。

Q. 変形性膝関節症になると手術が必要ですか?

A. 必ずしも手術が必要になるわけではありません。多くの場合はリハビリ・注射治療・生活改善といった保存治療を行い、これらで症状が落ち着く方も多くいらっしゃいます。手術は、痛みが強い、日常生活に大きな支障がある、といった場合に検討されます。

Q. 膝が痛いときは運動しても大丈夫ですか?

A. 膝の状態によって異なります。炎症が強いときは無理をしないことが大切ですが、適切な運動は膝の機能改善につながることもあります。特に太ももの筋肉を鍛える運動や関節の動きを良くする運動は、膝の負担を減らす効果があります。状態に合わせたリハビリを行います。

Q. 膝に水がたまるのは変形性膝関節症ですか?

A. 膝に水がたまる原因の一つに変形性膝関節症があります。ただし、半月板損傷・関節炎・外傷などでも水がたまることがあります。

Q. どのタイミングで整形外科を受診すればいいですか?

A. 歩くと膝が痛い、階段の上り下りがつらい、膝が腫れている、膝に水がたまっていると言われた、といった症状がある場合は、一度ご相談ください。早めに状態を確認することで、治療の選択肢が広がることもあります。

膝の痛みでお悩みの方へ

膝の痛みがあると「もう歳だから仕方ない」と言われることもあるかもしれません。しかし実際には、炎症を落ち着かせる・筋力を改善する・膝の負担を減らすことで、症状が改善するケースも多くあります。小笹周辺にお住まいで「最近膝が痛い」「歩くと膝がつらい」と感じる方は、無理をせず一度ご相談ください。

ご注意 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療効果を保証するものではありません。効果や症状の経過には個人差があります。実際の治療は医師の診察に基づいて判断されます。

開院に向けて

佐々木整形外科は2027年春の開院を予定しています。膝の痛みに関する情報をお届けしています。

佐々木整形外科について

関連記事

→ 膝の痛みについて(総合ページ)

→ 膝のリハビリについて

→ 膝の注射治療について

→ 半月板損傷について

→ 膝に水がたまる原因と対処

参考文献

・日本整形外科学会 公式サイト
・変形性膝関節症診療ガイドライン(日本整形外科学会)
・OARSI Guidelines for the non-surgical management of knee osteoarthritis (Bannuru RR, et al.)
・American Academy of Orthopaedic Surgeons (AAOS) Clinical Practice Guideline: Management of Osteoarthritis of the Knee